水分を摂る以外の熱中症対策
カッコ悪いなんて思っている場合じゃない
=濡れタオルを首に巻く=
こんにちは弘邦医院院長の林雅之です。本日のテーマは、「水分補給以外の熱中症対策」です。熱中症対策といえば水分補給がまず頭に浮かびますが、それ以外の対策についてお話ししましょう。手軽な方法はつばの広い帽子をかぶることです。都会では屋外にいる時間が少なく帽子をかぶる習慣がありません。そのため、帽子なんてダサい、と思う人がいますが、体のなかで最も熱に弱い脳細胞を守るためには帽子が一番良い熱中症対策です。屋外での時間が長くなりそうだと感じたら必ず帽子をかぶりましょう。帽子は通気性のよいものを選ぶと良いでしょう。あるいは日傘をさすのもいいでしょう。男性の中には日傘に抵抗感がある人もいますが、最近の夏の高温を考えれば格好などを着にしている場合ではありません。
首筋を濡れたタオルで巻くことも有効です。首には太い頸動脈が通っています。そこから皮膚表面へ常に熱が移動します。このとき表面温度が高くなる分、多量の熱が放散されています。首の皮膚は冷たさに対する感度も高いので、首の冷却効果は大きいのです。可能ならいま流行りの携帯用扇風機のハンディファンを首からぶら下げて時々首回りやわきの下、鼠径部を冷やすのも体温をさげるには有効です。
また、夏場は時々体を横たえると良いでしょう。体を冷やすためには血流が重要です。立った状態を続けると血液は下半身に溜まってしまううえ、熱を逃がすために汗をかくこともあって心臓に戻ってくる血液量が減ってしまいます。足の筋肉が弱っているお年寄りなどはますます心臓に戻る血液量が減ってしまい、全身に血液を循環させることが出来にくくなります。ですから体を横たえることで血液の偏りを是正することも良いと思います。