1杯の水が命を救う
こんにちは、弘邦医院院長の林雅之です。今回のテーマは「熱中症対策」についてです。熱中症とは体内の水分や塩分のバランスが崩れることで起こる、めまいやけいれん、頭痛、意識障害などの症状を言います。毎年が多くの方が救急車で運ばれます。昨年の5月~9月までに全国で7万1317人が救急搬送され、うち126人が亡くなっています。
今年は新型コロナの影響でマスクをつけたまま過ごすという前例のない状況で熱中症シーズンを迎えるため、一体どれほどの人が熱中症になるのか、予想もできません。とくに高齢者は例年以上に水分補給には注意しましょう。
とはいえ、水分なら何でも良いわけではありません。コーヒーやビールなどは利尿作用がありますから、飲んだあとに水分がおしっことして排出してしまいます。できれば、水や麦茶などカフェインが入ってなくて飲みやすいものがいいでしょう。
気をつけたいのは夜中の熱中症です。夏になると、朝起きると頭痛がするという人がいますが、それは夜中に寝汗をかくなどして知らず知らずのうちに脱水症状になっているからです。そのせいで血栓ができて朝方に起きて体を動かすと血栓が飛んで血管を詰まらせて脳梗塞や心筋梗塞を起こすこともあります。それを避けるにはこまめに水分を摂ることが必要です。
なかには夜中おしっこに立つのが嫌だからと寝る前の水分補給を避ける人がいますが、寝る前にコップ1杯の水を飲むようにすると良いでしょう。夜中に目覚めたときもやはり水が飲めるように枕元に水差しを用意しておきたいものです。