カテキンについて
こんにちは、弘邦医院の林です。
今日の診療は平常通り、午前・午後です。
さて、本日のテーマは「カテキン」です。
健康に関心のある人ならお茶に含まれる苦み成分であるカテキンの効果をご存じでしょう。
ポリフェノールの一種で、体に良いとされています。その効果のひとつが抗酸化作用です。
活性酸素が人体の組織を攻撃するのを防ぎ、その力はビタミンCやビタミンEの数倍から数十倍あるなどと言われています。抗ウイルス効果、コレステロールを下げる効果、血糖を下げる効果、殺菌効果などもあると言われています。がんリスクも下げるという話もあって、緑茶の生産地として有名な静岡県のある地域では、胃がんにより死亡率が全国平均の5分の1ほど低いとの報告もなされています。
ただし、昔から「緑茶は心筋梗塞や脳卒中の発症リスクを抑える」という話がありますが、最近は正しいとはいえないようです。国立がん研究センターなどが参加したコホート研究は、血中のカテキン濃度と心筋梗塞や脳卒中とは関係ないとしています。
とはいえ、緑茶に含まれるカテキンが身体にいいことは確かです。どんな飲み方をすればいいのでしょうか?
実はカテキン類は一定以上の温度がないと溶け出しにくい成分で、90度以上の熱いお湯でお茶を入れないとカテキンの成分がお茶のなかに溶け出していきません。ですから健康のことを考えて緑茶を飲みのなら90度以上の熱いお湯でお茶を入れなければなりません。
しかし、おいしさを楽しむのなら50度程度の低温でじっくり入れるよう心がけましょう。これは、うま味成分であるアミノ酸を多く出して、カテキンのような苦み成分をあまり出さないようにするためです。緑茶は1煎目でアミノ酸の9割、カテキンの8割が溶けてしまうようです。2煎目で新たな茶葉に変えると良いでしょう。