ゲノム医療について
こんにちは、弘邦医院の林です。
今日の診療は平常通り、午前・午後です。
さて、本日のテーマは「ゲノム医療」です。
初めて耳にした人もおられると思います。ゲノムとは遺伝子とすべてと言う言葉を合体させた造語で、DNAに含まれる遺伝子情報全体を指す言葉です。ゲノム医療は患者さんのがん細胞の遺伝子を網羅的に調べて、その結果をもとに患者さんに合った診断・治療法を効率的に行う医療のことです。
朝日新聞によると、「ゲノム医療」を探るための遺伝子検査システムの製造販売が近く承認されることが決まったそうです。しかも、来春には公的医療保険が適用される見通しです。
では、この遺伝子検査システムが導入されると一体がん治療はどのように変わるのでしょか? がんとは遺伝子の病気です。どこかの遺伝子が変異することで、正常とは違うたんぱく質が作られて、際限なく自己増殖していくがん細胞が生まれます。そこで新たに承認される遺伝子検査システムはがん細胞の遺伝子を1度に100種類以上調べて、どの遺伝子に変異が起きているかを分析。患者さんのがん細胞に適した薬を選ぶというものです。
最初は固形がんで再発や進行して標準的な治療がうけられない患者さんや希少がんの患者さんに限られるそうですが、がん治療はさらに進歩していくことになります。
正常な細胞を装って人が持つ免疫組織からの攻撃を免れようとするがん細胞に対して、再び攻撃させる薬(オプジーボなど)の開発が進んでいます。いよいよがんと共生する時代に入ってきたと言うことでしょうか。