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失神について

こんにちは、弘邦医院の林です。

今日の診療は平常通り、午前・午後です。

さて、本日のテーマは失神です。

「気絶」「気を失う」などさまざまな呼び方がある失神は、

学生が朝礼などで起こす失神のイメージが強く、

中高年には関係ないように思われるかもしれませんが、

間違いです。トイレやお風呂などで多くの中高年が

失神してケガをしたり、命を落としたりします。

 失神とは、脳全体の血液の流れが低下し、

一時的に意識が失われることを言います。

普通は失神してから数秒から数分以内に後遺症を

残すことなく回復しますが、けいれんをおこしたり、

大怪我をしたりすることもあります。

 失神の原因はさまざまです。心臓の病気が

原因になることもあれば、自律神経の調整がうまくいかず

失神することもあります。あるいはてんかんや

脳卒中といった脳や神経の病気、低血糖によっても失神はおこります。

 冬はとくに失神することが多いので注意が必要なのです。

例えば、中年男性に多い失神に、排尿失神があります。

お酒を飲んだ日の夜中に尿意をもよおしてトイレに起きて、

排尿中あるいは排尿後に失神が起きます。これはおしっこを

ギリギリまで我慢したことで上がった血圧が、おしっこを出したことで

下がったうえ、腹圧も下がるため、

脳と臓器を結ぶ迷走神経反射を起こしてしまうからです。

このタイプの失神はほとんどの場合、完全に回復して後遺症を

残すことはありません。心配なのは、意識を失って倒れた際に

頭や顔面を強打することです。排尿中に失神し便器で頭や顔面を強打すると、

頭蓋骨(ずがいこつ)の骨折や硬膜下血腫を起こすことがあります。

オシッコはこまめにすることです。

 また、以前から、冬場に高齢者が入浴中に意識を失って倒れたり、

浴槽内で溺れたりすることが知られています。高い温度のお風呂に

入ることにより血管が拡張して血圧が下がることで意識低下や失神が

起こるからです。また、救助が遅れるとさらに体温が上昇して血圧が

いっそう下がって、溺れて死に至ると考えられています。

 お風呂はあまり熱い温度にせず、40度くらいにするのがよいでしょう。

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