ストーマについて
こんにちは、弘邦医院の林です。
今日の診療は通常通り午前・午後です。
さて、本日のテーマは、ストーマ(人工膀胱)です。
先日、キャスターの小倉智昭さん(71)が自ら司会を務める
情報番組で膀胱がんにより膀胱を全摘することを発表されました。
ご覧になられた人も多いことでしょう。
膀胱を全摘すると、尿をためる場所がなくなるので、
手術でお腹に穴をあけて尿をためる袋を
身体の外側に設けるのが一般的です。
ストーマとは手術によっておなかに新しく作られた、
便や尿の出入り口を言います。人工肛門や人工膀胱により
いくつか種類がありますが、何か機械によって特別なことを
するわけではありません。
自分の腸や尿管から直接、便や尿を外に排出するのです。
膀胱には尿を貯める以外に、尿がしたくなる(尿意)や
それをがまんしたり、自分の意志で尿をする機能があります。
ところが、ストーマにはそれがありません。腎臓から絶え間なく
作られる尿がから絶えず流れてきます。それを受け止めるのが体外に
つけられたストーマ装具です。
ストーマ装具は直接肌に触れる皮膚保護材の板と便や尿を
受け止める袋からできています。皮膚保護材の板は、皮膚に直接排泄物が
つかないようにするためのもので、汗や排泄物の水分を吸収する働きが
あります。装具は防臭、防水効果があります。そのため、匂いの発生や
排泄物が漏れて衣服が汚れるようなことはありません。
装具の交換はタイプによります。
毎日、3~5日、7日間などさまざまです。
夜は十分な睡眠をとるため、夜用の蓄尿袋を使います。
なお、ストーマをつけたからといってお風呂に入れないわけではありません。その場合は、入浴直前に貯まった尿を捨ててから入浴します。耐水性があるので、装具をつけたまま湯船に入っても構いません。